昨今、絵本業界は盛り上がっているそうです。

インターネットが普及して本離れが進むこのご時世に、絵本は快進撃を続けています。
2000年以降、絵本の売り上げは右肩上がり。

一方、絵本が扱うジャンルも 広がりました。
地獄絵図や、

怪談など、子供に刺激の強い絵本も増えています。

今回は、そんな刺激の強い絵本のご紹介です。
① 「だから?」 2008年発行
一見かわいいらしい絵柄。

イギリスの優秀児童図書(BCCBブルーリボン賞)にも選ばれています。

登場人物は主人公のビリーと、ビリーのパパ。

ビリーはパパが何をしてあげても喜びません。
こんなに背が高い生き物を見せても、必ずこう言います。
ビリー「だから?」 。

こんなにくるんくるんのラッパを吹いても、

「だから?」

宇宙の果てに連れて行ってあげたとしても、やっぱりこう言うはずです。
「だから?」

世界で一番腹ペコのトラを見せても…(なんかイヤな予感が…)

「だから?」

パクッ。

ビリー「パパ、助けて、僕はここだよ」
パパ「だから?」

日本ではちょっと受け入れにくい結末ですが、ブラックユーモアの本場イギリスらしいオチです。

② 「おやゆびしゃぶりのはなし」 2014年発行
次も外国の絵本。
絵本創世記(19世紀半ば)に原作が書かれました。

短編集絵本 「もじゃもじゃペーター」 2014年発行(1845年原作)。

原作者のホフマンさんが3歳の息子のクリスマスプレゼントして創ったものだそうです。

有識者の森下さんはもし夫がこれを子供のクリスマスプレゼントにしたら、「即、家出する」そう。

「もじゃもじゃペーター」に収録されている「おやゆびしゃぶりのはなし」。

コンラートはママにお留守番を言いつかりました。
そして、ママはコンラートにおやゆびをしゃぶらないようにと注意します。
「もし、しゃぶったら、怖い仕立て屋さんがやってきてハサミでおやゆびを切ってしまうよ」と、 ママが脅かします。

ママは出ていきましたが、おやゆびはもうコンラートの口の中。

即、怖い仕立て屋登場。

特大のハサミでコンラートのおやゆびを切り離してしまいます。

ママが帰ってきてみると、
悲しい顔したコンラート、
おやゆびなしで立っていた。

おやゆびは二つともいっちゃった。
おわり。

19世紀のヨーロッパは子供へのしつけが厳しく、「悪さをすると痛い目を見る」という教訓が絵本にもしばしば見られるそうです。

なぜ、170年の時を経て、この厳しすぎる絵本を日本で発行したのかよくわかりませんが(だいたい仕立て屋知らんだろ?)、”桃太郎と鬼”や”猿とカニたち”がむやみに仲良くしてしまう最近の絵本の風潮もいかがなものでしょう。

鬼退治終了後の二人。

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インターネットが普及して本離れが進むこのご時世に、絵本は快進撃を続けています。
2000年以降、絵本の売り上げは右肩上がり。

一方、絵本が扱うジャンルも 広がりました。
地獄絵図や、

怪談など、子供に刺激の強い絵本も増えています。

今回は、そんな刺激の強い絵本のご紹介です。
① 「だから?」 2008年発行
一見かわいいらしい絵柄。

イギリスの優秀児童図書(BCCBブルーリボン賞)にも選ばれています。

登場人物は主人公のビリーと、ビリーのパパ。

ビリーはパパが何をしてあげても喜びません。
こんなに背が高い生き物を見せても、必ずこう言います。
ビリー「だから?」 。

こんなにくるんくるんのラッパを吹いても、

「だから?」

宇宙の果てに連れて行ってあげたとしても、やっぱりこう言うはずです。
「だから?」

世界で一番腹ペコのトラを見せても…(なんかイヤな予感が…)

「だから?」

パクッ。

ビリー「パパ、助けて、僕はここだよ」
パパ「だから?」

日本ではちょっと受け入れにくい結末ですが、ブラックユーモアの本場イギリスらしいオチです。

② 「おやゆびしゃぶりのはなし」 2014年発行
次も外国の絵本。
絵本創世記(19世紀半ば)に原作が書かれました。

短編集絵本 「もじゃもじゃペーター」 2014年発行(1845年原作)。

原作者のホフマンさんが3歳の息子のクリスマスプレゼントして創ったものだそうです。

有識者の森下さんはもし夫がこれを子供のクリスマスプレゼントにしたら、「即、家出する」そう。

「もじゃもじゃペーター」に収録されている「おやゆびしゃぶりのはなし」。

コンラートはママにお留守番を言いつかりました。
そして、ママはコンラートにおやゆびをしゃぶらないようにと注意します。
「もし、しゃぶったら、怖い仕立て屋さんがやってきてハサミでおやゆびを切ってしまうよ」と、 ママが脅かします。

ママは出ていきましたが、おやゆびはもうコンラートの口の中。

即、怖い仕立て屋登場。

特大のハサミでコンラートのおやゆびを切り離してしまいます。

ママが帰ってきてみると、
悲しい顔したコンラート、
おやゆびなしで立っていた。

おやゆびは二つともいっちゃった。
おわり。

19世紀のヨーロッパは子供へのしつけが厳しく、「悪さをすると痛い目を見る」という教訓が絵本にもしばしば見られるそうです。

なぜ、170年の時を経て、この厳しすぎる絵本を日本で発行したのかよくわかりませんが(だいたい仕立て屋知らんだろ?)、”桃太郎と鬼”や”猿とカニたち”がむやみに仲良くしてしまう最近の絵本の風潮もいかがなものでしょう。

鬼退治終了後の二人。

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