洞窟の中で見た断層は、秩父盆地の南側の際のもの。

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東側の際にも断層があります。

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この2か所の断層が生み出した日本を盛り上げたものとは?

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タモリさんたちは東側の断層から3km離れた市街地にやってきました。

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ここを案内するのは、小鹿野高等学校の小幡喜一先生。

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秩父には34か所の札所があります。

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札所:心の安らぎを求めて巡礼するお寺やお堂
参拝のしるしに札を納める
四国は八十八か所が代表的

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江戸時代広く知れ渡っていた「日本百観音霊場」は、3つの巡礼コースからなります。

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清水寺を含む西国三十三か所と浅草寺を含む坂東三十三か所。

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そして、三つめは秩父三十四か所です。

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実はこの秩父の札所は断層と深い関係があります。

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秩父の札所19番、龍石寺にやってきました。

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岩が露頭している。

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江戸時代の記録では龍石寺は岩の上に直接建っていた。

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不自然に表れている岩は何なのか?

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外から見ると寺が岩の上に建っているのがわかる。

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ところどころチャートがある。

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この寺は盆地の東側の断層によって生まれたもの。

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今いる場所は断層から3km離れていますが、岩は断層の硬いチャートと小石が混ざっています。
なぜなのか?

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東の断層が上がった時にがけ崩れがあり、大量の土砂が3km離れたここまで流れてきた。

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1600万年前、秩父は海の底だった。

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南と東の断層が動く。

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その際、東の断層にがけ崩れが起きる。
粉々になったチャートは土砂を巻き込みながら3km先までたどり着く。

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海の堆積物が厚く積もり、その重みで時間をかけて硬い巨大な岩の塊になる。

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やがて土地が隆起して秩父は陸地になる。

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川が流れて浸食が始まる。

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堆積物は削られていくが、硬い岩の部分は残り、姿を現す。

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断層によってできた珍しい地形を昔の人は畏敬の念をもって接した。
そして、札所になった。

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秩父には断層など自然が生み出した不思議な地形がたくさんある。

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そういった神秘的な地形を昔の人は崇拝し、札所を置いたのです。

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最初に見た石灰岩の崖も札所になっています。

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江戸時代の秩父札所の巡礼の数は、ほかの札所に比べても圧倒的に多かった。

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江戸に近く短期間で廻れる秩父札所は人気を集め、江戸時代の観光を大いに盛り上げたのです。

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ここで二人の先生仲良く退場w

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次にタモリさんたちが向かったのは龍石寺から南に3kmの市街地
ここで大正時代に日本を盛り上げたある産業に迫ります。

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ある産業の痕跡は桑。
秩父は江戸時代から桑の栽培が盛んにおこなわれていました。

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秩父は河岸段丘の上にできた町。
川は低い位置にあるので水を引きにくく、土地も小石が多く水はけが良すぎます。
水田には不向きな土地なのです。

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そこで水はけのよい土地でも育つ桑が栽培され、

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桑の葉を餌にする蚕の繭から生糸がとれました。

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絹織物産業が盛んになった秩父で、大正時代以降日本を盛り上げるあるものが生まれる。

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それが、秩父銘仙。

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街角に突如出現する大正時代。

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そこかしこに秩父銘仙モデル。

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銘仙:商品にならない規格外の糸を使用した低価格の絹織物
おもな産地は北関東

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銘仙は大正時代女学生を中心に日本中に大流行。
秩父銘仙の売り上げは全国トップクラスでした。

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秩父銘仙の工房

秩父銘仙は表も裏も同じように染まるという特徴がある。

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普通の生地は裏が薄くなる。

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秩父銘仙の染め方を見せてもらいます。

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横糸を通す前に縦糸の織物に染付をします。

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模様のついた型をのせ、染料をヘラで縦糸に染みこませていきます。

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型をとった状態。

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染料の色と型を変えて模様を染めていきます。

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柄を見ながら中心を合わせる職人の技。

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縦糸だけだから染料が裏にも染みる。

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通常の織物は縦糸と横糸を織り込んだ布の状態で染めます。
そのため染料は裏まで染みこまず滲んでしまいます。

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秩父銘仙は縦糸だけを先に染めるので、染料が糸と糸の間を通り抜け、十分に染め上がります。

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こうして裏表のない織物が出来上がります。

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タモリさんも染付に挑戦。

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器用なタモリさんでもさすがに難しい。

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秩父銘仙はリバーシブルで着られるので長持ち。

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安くてオシャレで長持ちな秩父銘仙は、大正時代のファッションシーンを盛り上げました。

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秩父を軽く見てたことを深く反省w

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なんといっても断層面はすごい。

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エンディング♪
秩父はそば処でもある。

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次回(8月19日)は長瀞です。

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