今回はガラスの中に閉じ込めた繊細なアート作品の紹介です。 

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有識者は、「芸術新潮」編集長の吉田晃子さん。

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① 田中勇輝・作「薬師寺西塔」

田中勇輝さん(73)は、コンタクトレンズメーカー、メニコン技術顧問。
創業者の弟さんだそうです。

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メニコン60周年を記念して、誰もやったことがない事に挑戦することに。

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それは、ボトルシップアートの究極系。

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ガラスのボトルに閉じ込められた薬師寺西塔!

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 いったいどうやって作ったのか?
社内保存用に制作過程を映像化したDVDがあります。

パーツは丸太から削り出した手作り。
約1万個あります。

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パーツをいったん組み立ててみます。
ここまでで約2年。

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組み立てたパーツを瓶の口に入る大きさまで分解。
瓶の中で組み立てるために、自作の装置を作りました。

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瓶の中のクレーン?

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瓶の中で吊り下げたパーツにパーツを付けたしていく。

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息子さん(左下)もお手伝い。

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丸3年の月日をかけて完成。

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ガラスに閉じ込めた理由は、ホコリがかからないように…。
ボトルシップならぬボトルアーキテクチャ。

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② ノグチミエコ・作「富士百景海龍」

有識者の吉田さんによれば、それは”緊張感のある美しさ”。

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神奈川県藤沢市にあるガラス工房。
この女性がガラス作家歴25年のノグチミエコさん。

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ノグチさんの作品は、ガラスの塊の中に様々な風景を閉じ込める、というもの。

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海の生物。

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地球。

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作品の作り方。

1200度に熱した透明なガラスに色のついたガラスパウダーを付けます。

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ガラスが冷める前に変形させ、再びパウダーで模様を付けてゆきます。 

そしてその上に透明なガラスをコーティングします。

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こうしてガラスの中に模様を閉じ込めてしまいます。

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こうしてできた作品は1000点以上。

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そして最高傑作が「富士百景海龍」。
嵐が来る前の富士山をイメージしたものです。

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雨が降る前に出る笠雲。 
雲は何層にも分けて作ったこだわりの模様。

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値段はプライスレス。

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「億って言われたら、売るよね…」
ゲスいことを言う二人w

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③ 植山善生・作「美ら海の風景」

吉田さんによれば、すごく華やかな作品。
創り方の想像がつかない。

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植山さんがいる沖縄県名護市。

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作品に使うのは色がついた砂。

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砂を使ってガラスの中に様々な風景を創り出します。

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青い砂の上に白い砂を敷き、その両端に黒い砂をかけます。
真ん中を細い棒で押し込み、青い砂をかければ、カモメが完成。

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頭の中の想像だけで作品を作っているそうです。

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300種類以上の作品の中で、最も苦労したのが「美ら海の風景」。 
 
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直径20㎝、高さ40㎝。 
2300匹以上の魚が泳いでいます。

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0.1㎜の砂を一粒ずつ動かして作る繊細な作業。 

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制作期間4ヵ月。
制作期間中、「もう見たくない」という時もあったそうです。 

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ちなみに植山さんはダイビング経験なし。

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