企画がどんどんマニアックになっていくタモリ倶楽部。
今回は船の操縦で最も難しいとされる”接岸”を取り上げます。

ロケ地は東京海洋大学越中島キャンパス(東京都江東区)。
あまりにマニアックな企画ため芸能人ゲストも事情をよくわかっていない伊集院光さんのみ。 

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 しかし、接岸マニアはいます。

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三宅島在住の田中さん(左)と大阪在住の田村さん(右)
 
マニア臭がぷんぷんするお二人は、暇さえあれば港に出向いて接岸する船を撮影しているそうです。
いわゆる撮り鉄(鉄道撮影マニア)の船版と考えればいいのでしょうか。 

解説は、船長経験もある東京海洋大学の大津名誉教授です。

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  エントリー№1 父島二見港 おがさわら丸 小笠原海運

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右中ほどにある船は、ここからほぼ90度ターンをして、陸地と並行になります。
車のドリフトのようですが、船には横移動するための推進器(サイドスラスター)がついているのだそうです。

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  エントリー№2 新潟港フェリーあざれあ 新日本海フェリー

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入港してきた白い船(左上中央寄り)はここで一旦停止、サイドスラスターを使って90度ターン。

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バックで埠頭に入ります。
後進は舵が効きにくいので難易度大。 

 エントリー№3  鳥羽港 伊勢丸 伊勢湾フェリー

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船は舵とサイドスラスターを使いながら180度ターン。
船首が陸に接近したところで、陸の綱取り作業員が船から投げられた艫綱(ともづな)をキャッチ。

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最後は船尾をピタッと接岸。 

  エントリー№4 七類港 フェリーくにが 隠岐汽船

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船(中央下)が入港。

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ここで錨(アンカー)を降ろし、狭い港内での横移動を補助します。

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艫綱も引っ張られながらゆっくりと接岸します。
この映像を撮るため、撮影者の田村さんは2泊3日の日程を取ったそうです。 
 



 
 
 エントリー№5 御蔵島港 橘丸 東海汽船

伊豆七島は太平洋上にあるため、接岸は波の影響を強く受けるそうです。

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荒波にあおられる船は玩具のように見えます。

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波と海流に抗い果敢に突入。

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ぐるっとターンをして、

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接岸完了。

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この船にはモーターとプロペラが直結したポッド推進器がついているそうです。
強力な推進力が波の負荷を退けます。

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黄色の矢印の泡がポッド推進器の稼働を示しています。
マニアはこの泡を見ると、”萌える”のだそうですw 

  エントリー№6 三宅島 三池港 かめりあ丸 東海汽船

 田中さんが撮影したこの映像は、接岸マニアの間では有名な作品だそうです。

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画像ではわかりませんが、うねりがひどい。

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船首からロープを投げる。

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船尾からもロープ。

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大きく揺れながら岸に近づきます。

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接岸後も揺れています。

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このときはGWのさなか(5月4日)、前日欠航でこの日も往路で接岸できず八丈島へ。
八丈島からの復路で三宅島に接岸できないと、東京からの乗客はそのまま東京に戻ることになります。
船長は果敢な決断をして、三池港接岸を果たしたのだそうです。

この動画はコチラです。⇒かめりあ丸 気合の接岸