私は前の東京オリンピックの開幕式をこの目で見た生き証人です(笑)。
当時6歳でした。
母親に連れられ、国立競技場に行きました。

選手の入場行進はほとんど覚えていません。
私が覚えているのは、ジェット機が飛行機雲で五輪を描いたことと、無数の風船と鳩が空に放たれたことです。
あの風船はどこに行くのだろう…。
そんなことを思いながら秋の空(10月10日)を見上げていました。
子供らしいでしょ。

1964 東京オリンピック開幕式」でググってみたら当時の映像が見つかりました。
        ↑映像観たい方はここをクリック

改めて映像で選手の入場行進を見てみましたが、やはり当時の入場行進はフォーマルな雰囲気があります。
選手たちは整列を乱さず行進し、天皇陛下のロイヤルシートの前では帽子を取って敬意を表します。
今見るとこういうきちんとした感じも悪くないと思うのですが、当時の若者はこういったかた苦しい大人文化に反発して、この少し後にヒッピーや長髪に代表される若者の文化(カウンターカルチャー)を生み出しました。

さすがにヒッピーは死語になりましたが、カウンターカルチャーはいろいろな形で生き続けています。
例えば、この頃のオリンピック選手の入場行進がだいぶカジュアルになっているのも、スノーボードの選手が音楽を聴きながら競技をしてもOKなのも、カウンターカルチャーが大人と戦ってきたお蔭だと思います。

昔は大人の男が圧倒的に社会に対して権威と影響力を持っていましたが、若者がカウンターカルチャーを通してその存在を主張をし始め、さらに女性がそれに続きました(ウーマンリブ運動)。
それが東京オリンピック以後だと思います。

昨今のオリンピック開幕式に比べると、当時の開幕式は実にシンプルで素朴です。
でも、その分オリンピックの本質が伝わってくるような気がしました。

4年に一度の世界の運動会。
人類はいろいろ愚かな行為をしてきましたが、これは素敵な発明の一つですね。

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 画像や動画だと白ですが、ちゃんと5色の飛行機雲になってました