二十代後半くらいからプール通いを続けています。

ずっと続いていたわけではなく、しばらく中断していた時期も何度かありました。
ここ数年は週に1度定期的にプールで泳いでいます。

泳ぐのが好きなのかと言えば、そうでもありません。
むしろ週に1度でも定期的にプールに行くことは苦痛にすら感じています。

プールに行く前が一番ブルーな気分になります。
行くのがメンドクサイし、着替えるのもメンドクサイ。
だからこのへんは何も考えないようにして、体だけを動かしています。
タオルや水泳パンツの入った手提げ袋を持つ→自転車に乗る→区民体育館に行く→着替える
水泳パンツ姿になれば、あとはプールに入るしかありません。

とにかく泳ぎ始めてしまえば、体が勝手に動き出します。
自分で決めた距離を泳ぐまで、何も考えずに機械的に体を動かすのみです。
もう体が水泳に慣れているので肉体的にはそれほどきつくは感じません。
ただ、水泳はプールを行ったり来たりする単純作業なので、面白くもなんともない!…のです。

私は健康にかかわる仕事をしているので、お客さんに運動療法として水泳をお勧めすることがあります。
水泳がいいですよとお客さんに話すと、たいていお客さんの目は死んだ魚の目になっています。
笑顔でうなづいていても目は死んでいます。
「やる気ゼロ」と顔に書いてあります。

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自分だって上に書いたとおりですから、そういうお客さんの気持ちはとてもよーくわかります。
それでも水泳を勧めるのは、水泳が健康のためには理想的な運動だからです。

そもそも生命は海で誕生しました。
様々な種に進化した生物は、生き残りをかけて陸に進出しました。
陸上に適応するためにエラ呼吸は肺呼吸になり、ヒレは重力に対抗するために丈夫な四肢に進化しました。
中でも人類は地上を二本の足で(直立して)歩く唯一の動物です。
腰痛はこの直立二足歩行を獲得した人類の代償だとも言われています。

もしこれが正しいのなら、人類の直立はもともと無理のあるデザインなのかもしれません。
地上の重力に逆らって、二本足で飛んだり、走ったりすることはそもそも体に負担が大きいのです。
若いうちでも、過剰な運動をすれば足腰を故障します。
年を取ればなおさら、膝や腰、股関節にトラブルを抱える確率が高まります。

水泳は重力の負担をほとんど受けない有酸素運動です。
心肺機能を高め、全身の筋肉を無理なく鍛えます。

足腰に問題があると、どうしても運動を避けるようになります。
運動をしないと筋肉がやせ衰え、足腰の問題はますます悪くなります。そうなるとますます運動から遠ざかるようになります。

この悪循環を解決してくれる最良の手段が水泳(水中での運動)だと私は思うのです。
足腰にトラブルを抱えていても、自分のトラブルの状況に合わせた水中での運動は十分可能です。、

私は十年以上前にちょっとした事故で腰痛持ちになりました。
テニスや自転車漕ぎなどをすると腰痛が悪化したのですが、水泳をした後は調子が良いことに気づきました。
以来さぼっていた水泳を再開し、今では腰痛はほとんど感じないくらいまでになりました。

もちろんすべての病気に水泳が万能だということではありません。
他のスポーツをやって体に問題がなければそれに越したことはありませんし、嫌々水泳をやってストレスになるくらいならしない方がましです。

実はこのブログを書く途中でプールに行ってきました。
今日の最高気温は4度でしたが、プールから帰ってきた今は体が温かく、頭がすっきりしています。
お腹も減りましたし、夜もよく眠れると思います。

これからもプール通いは続けるつもりです。

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ご存知かとは思いますが、区民プールでこういう状況はまずありません。代わりにジジババがワンサカいます。
プールは修業の場です。