「ドクターX」は違和感満載の医者ものドラマです。

まず冒頭の田口トモロヲの劇画調のナレーションからして、違和感があります。
 
「これは一匹狼の女医の話である。大学病院の医局は弱体化し、命のやりとりをする医療もついに弱肉強食の時代に突入した。 その危機的な医療現場にの穴埋めに現れたのがフリーランス…すなわち、一匹狼のドクターである。たとえば、この女。群れを嫌い、権威を嫌い、束縛を嫌い、専門医のライセンスと叩き上げのスキルだけが彼女の武器だ。 外科医、大門未知子。またの名を、ドクターX」

これって「京の朝廷も弱体化し、命のやりとりをする武士たちも、ついに弱肉強食の時代に突入した…」みたいな、戦国時代の物語風です。
だいたい”命のやりとり”はしてないだろ、医療は。
さらに、”御意”とか”大奥”などのワードは時代劇そのものです。

そもそも主人公の外科医がモデルみたいな美人(ま、実際米倉涼子はモデルなんだけど)。

バックミュージックは西部劇風と、もうメチャクチャです。

それでもこのドラマは高視聴率を誇る人気シリーズです。

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何故見てしまうのか。

それは、腕の立つ主人公が権威をバッサリと切り捨ててしまう痛快感につきると思います。

所詮、人間は小知恵がついたサル、群れを作って、その群れの中で序列を作りたがります。
人は社会で生きている限り、誰かに頭を下げなくてはならない。
エラそうにしているヤツは嫌いだけど、そいつにペコペコしなくちゃならない。

でも、大門未知子は違います。
大名行列みたいな院長回診の群れにも臆せず平然とわが道をゆく。
なにしろ外科医としての真価を問われる手術で超人的な活躍をするから、権威筋もおいそれと手を下すことができない。

権威にひれ伏して生きている凡人としてはスカッとしてしまいます。

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その上、大門先生はとても自信家です。

この前公園を散歩していたら、少し離れたところに二人連れのおばあちゃんが歩いていたのですが、「米倉涼子が…」、「私は失敗しません(ちょっと違うけどね)」と話しているのがとぎれとぎれ聞こえてました。

どんなに困難と思われる手術でも、大門先生は胸を張って「私、失敗しないので」と言い放ちます。
失敗するんじゃないかといつもビクビクして生きている凡人としては、絶対言えないけど一度は言ってみたいセリフです。

彼女のもう一つのキメ台詞、「いたしません」も言えないけど言ってみたい…。
上司がどんなに激オコ中でも、5時になるとサッサッと帰宅。
サラリーマンやOLがやってみたいことだらけです。

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強いものには傲慢なぐらいに強気な大門先生も、弱者(患者)には優しい。
手術が終わった後、眠っている患者さんの肩にそっと手を置いて、心の中で「お疲れ様…」。

カッコ良すぎです。
私ら凡人に真似できるのは、ガムシロ一気飲みぐらいです(これも無理か…)。

現代医療の世界を時代劇でスパイシーに味付けした舞台で、ブラックジャックとマカロニウエスタンを足して2で割ったようなスーパードクターが活躍するドラマ、それが「ドクターX」です。




は一匹狼の女医の話である。大学病院の医局は弱体化し、命のやりとりをする医療もついに弱肉強食の時代に突入した。 その危機的な医療現場にの穴埋めに現れたのがフリーランス…すなわち、一匹狼のドクターである。たとえば、この女。

群れを嫌い、権威を嫌い、束縛を嫌い、専門医のライセンスと叩き上げのスキルだけが彼女の武器だ。 外科医、大門未知子。またの名を、ドクターX。れは一匹狼の女医の話である。大学病院の医局は弱体化し、命のやりとりをする医療もついに弱肉強食の時代に突入した。 その危機的な医療現場にの穴埋めに現れたのがフリーランス…すなわち、一匹狼のドクターである。たとえば、この女。
群れを嫌い、権威を嫌い、束縛を嫌い、専門医のライセンスと叩き上げのスキルだけが彼女の武器だ。 外科医、大門未知子。またの名を、ドクターX。