保育士の女性から、虫を駆除した後に、何とも言えない嫌な罪悪感に襲われてしまう、皆さんは如何?、という投稿がありました。

素朴な質問ですが、誰もが一瞬考えてしまうテーマです。

私は若い頃は割と平気でゴキブリを殺していました。
むしろゴキブリ・ハンティングを楽しんでいたフシさえあります。
 
今は年のせいか、このへんの心境は若い頃とは少し違います。
夜、ばったりゴキブリと出くわしてしまった時、お互い不幸な出会いをしてしまったな、とまず思います。
見逃してやりたい気持ちもありますが、増えることを考えるとそうもいきません。
そっと殺虫剤をとりに行き、確実にターミネートします。
死骸はティシュを数枚重ねて掴んでゴミ箱へ、この間は手の届かない隙間で死んだので、掃除機で吸い取りました。

罪悪感とまではいきませんが、若い頃に比べると一抹の躊躇が出るようになりました。
 
小さな虫でも命を奪うということに「もののあはれ」を感じるようになったのかもしれません。

 しかし、もし、ゴキブリが大量発生したら、そんな優雅な感傷に浸る暇もなく、クールな殺戮マシーンと化することは間違いないでしょう。

人間の他の命に対する態度というものは、とても恣意的(自分勝手)だと思います。

例えば、ネコはネズミを駆除する動物として、あるいはペットとして人間社会に持ちこまれた動物です。

人間社会でネコが子供を産んで野良猫になると、保健所で処分されます。

そんな猫が可哀そうだとエサをやる人が出てきて、また野良猫が増えます。

野良猫に庭にフンをされた人が怒って保健所に連絡し…ということが際限なく繰り返されます。

一方でネコ好きの人に保護された運の良い野良は家の中で大切に飼われます。

野良猫の平均寿命は2~3年。

飼い猫の平均寿命は10~20年だそうです。

でも、ネコを飼う人良い人で、ネコは糞尿で家を汚す害獣とみなす人が冷血なのでしょうか。
ゴキブリをペットとして飼う人がいるそうですが、その人は良い人なのでしょうか。

結局、人間は他の生き物への接し方がかなりイイカゲンで、無責任なような気がします。

他の生き物たちにすれば、地球そのものを滅ぼしかねない人間が地球上で最悪の害獣でしょう。

世迷いごと (双葉文庫)
マツコ・デラックス
双葉社
2012-04-12