アメトークの読書芸人で誰かが「八日目の蝉」を勧めていたので、そのうち読んでみようと思っていたのですが、地上波で映画の方を放送していた(2016・2/26)ので、見てみることにしました。

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内容はまったく知りませんでした。

本編が始まる前の予告編みたいなヤツで見る限り、なんだか重そうな感じがしました。
あまり重かったら、見るのやめようと思いネットゲームをしながらチラチラ見るという按配でした。

でも、永作博美が赤ちゃんを連れ去って逃避行を始めたあたりから、真剣に見始めました。

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一言で言うとこの映画は切ない。

愛人だった永作博美も、男の妻の森瑤子も、娘の恵理菜(馨)も皆切ない。

倫理的に言えば、人の赤ちゃんを連れ去った永作博美が悪いし、実際彼女は法的に裁かれています。
ホントはもっと悪いのは煮え切らない態度で不倫をしていた永作博美のカレすなわち森瑤子の夫(田中啓司)ですが、ここでは男たちは種馬としてしか描かれていません。

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この映画で重要なのは、永作博美と森瑤子そして娘(渡邉このみ・井上真央)を巡る三角関係です。
 
被害者である森瑤子が攻撃的でヒステリックな女として描かれているので、観客はこの女性に同情しにくい。
悪いのは永作博美と思いつつも、だんだんと彼女に 惹かれていく。
このへんはうまくできていると思います。

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女優としての永作博美は以前「人のセックスを笑うな」で見たことがあります。
 この時の彼女は何だか妙に生々しい女で、映画が冗長なこともあり、あまり好きになれませんでした。
でも、この映画の永作博美は良かった。
倫理的に許されないことをしているのに、彼女の胸の内を思うとどうしても心情が味方してしまう。
そうさせるだけの(演技)力がありました。

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小豆島のフェリー乗り場で警察に追い詰められ、二人が引き離された時、永作博美は「この子は、まだ何も食べてないんです!」と叫びます。
ここでついに涙腺が決壊しました。
もうここで泣かせようという計算づくの演出なんですが、うまい具合にじわじわ盛り上げてくるのでまんまと術中にはまりました。

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脇役たちも良かったと思います。

森瑤子も意図したとおり好きになれない女をうまく演じていましたし、小池栄子も無様な歩き方や距離感をとれない不器用なコミュニケーションで過去に問題のある女の雰囲気を出していました。
小池栄子の演技力は定評があるようですが、以前テレビドラマでダメ夫の抱えた借金を返済するためにAV女優になった妻の役をやっていましたが、この時もちょっとした表情がほんとにうまかった。
難癖をつけるなら彼女は”できる女”すぎるので、今回の役はイメージが真逆だったかもしれません。

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エンゼルハウスの教祖の人はてっきり麻生祐未だと思ってました。
余貴美子だったんですね。
ま、どうでもいいんですけどw

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写真館の主人が田中泯、渋い。
20年経ってもほとんど変わらず田中泯w
田中泯だからこそ写真館の時間を止めたままにできたのだと思います。

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このブログを書くため映画関連の画像や動画をチェックしたのですが、もうそのたびに条件反射的に目頭が熱くなってしまい困りました。

成島監督ナイスでした。
日本映画もまだ捨てたものではありません。