今さらの感はありますが、「告白」を見ました。

いくつか賞を取って話題になった映画ですし、「あまちゃん」の能年玲奈さん、橋本愛さん、「アナと雪の女王」で素晴らしい歌声を披露した松たか子さんが出演しています。 

いやがうえにも期待値は上がります。
しかし、結論から言えば、期待外れでした。

能年玲奈さんはセリフなし数カットで、びっくりするぐらいあどけない顔でした。
彼女はエキストラ程度のチョイ役だという事は知っていたので、これは問題ありません。

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橋本愛さんはしっかり演技していたし、存在感がありました。

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松たか子さんもノープロブレム。

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全体的にも、とても丁寧に撮られた作品だと思います。

ただ…。

このミステリーの世界に入りこむことができませんでした。

この話は衝撃的な展開、ショッキングなイベントありきで作られているような気がします。

ところが観客を驚かせる局面にまで持って行く推進力が足りないというか、理由や説得力が弱いのです。

例えば、罪を犯した少年たちについて…。

あの電流が走る小銭入れが、なんで防犯グッズになるのか(いたずら用のボールペンでああいうのあるよね)。
その上、大した仕掛けでもないのになぜ賞を取れるのか。
そしてなにより、天才を自負する少年が、どうしてこれで人を殺せると思いこんだのか。

もう一人の少年はなぜ女の子をプールに投げ入れたのか。
これについてはその理由が説明されていましたが、彼のような少年が生きている幼女を殺してしまえるとは思えません。
彼はおろかですが、気持ちは優しい少年として描かれていました。
人間なんてわからないのさ…といってしまえば終わりですが、ここは奇妙な後味の悪さだけが残ります。

そして終盤で、天才少年は学校に爆弾を仕掛けるのですが、悠子先生にそのもくろみを察知されてしまいます。
どうやって悠子先生は少年の計画を知ったのか。
なぜなら、少年が自らのホームページで自分の犯行計画について事前に話していたから。
この天才少年はいくらなんでもマヌケすぎやしませんか。

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他にもあちらこちらにツッコミどころがあって、どうもこの映画の世界に入りこむことができませんでした。
 
まあ、ミステリーって、意地悪くツッコもうと思えばいくらでもボロはあるものですから、そもそも自分がミステリー向きではないのかもしれませんが…。
 
正直、この映画「告白」がいくつもの賞を獲得した評価が高い作品だということが、私にとっての最大のミステリーです。 

 
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松竹
2004-03-25
←ミステリーではないかもしれないけど、おススメです