錦織圭選手がついに全米オープン決勝に進出!
日本人としては史上初の快挙ですが、このまま勢いに乗ってぜひ優勝してほしいですね。 
 
ところで、この大躍進の影には新コーチ、マイケル・チャン氏のサポートが大きいと言われています。
 
私もマイケル・チャン氏が現役で活躍していた1990年代にテニスに凝っていたので、彼の試合はよくテレビで見ていました。 
彼は台湾系アメリカ人で身長が175㎝、 東アジア人としては決して小柄ではありませんが185㎝ぐらいが普通の白人テニスプレイヤーたちの中ではとても小さく見えました。

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とにかく球を拾いまくって粘り、かつ頭脳的なプレイをする選手だったという印象があります。

その彼のプレイスタイルをいかんなく発揮したのが、伝説の一戦と言われる1989年全仏オープン4回戦、対イワン・レンドル戦でした。

イワン・レンドル選手は当時ランキング1位。
世界ランク1位の在位が長い強い選手でした。

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マイケル・チャンは前年にプロデビューしたばかりの17歳。
下馬評でもレンドルが圧倒的に有利と言われ、その前評判通りレンドルは2セットを連取します。
しかし、ここからマイケルチャンは粘り、第3セットと第4セットを連取します。
全力で走り回って球を拾うプレイスタイルのためか、彼の足には痙攣が始まっていました。
肉体的には限界に近づいていましたが、勝利への意欲はまったく衰えていません。
遅延行為で反則を取られるギリギリの時間まで水分補給をして、気の短いレンドルをイラつかせ、レンドルの集中力を切らせようとします。
まさかのアンダーサーブで虚を突き、動揺したレンドルからポイントを奪い取ります。

伝説のアンダーサーブ【動画】

完全にペースを乱されたレンドルは最終セットで自分のプレイができなくなり、最後はダブルフォルトでこの試合を失うことになりました。
セットカウント 4-6,4-6,6-3,6-3,6-3。
4時間37分の激戦を制したマイケル・チャンは決勝に進み決勝戦でステファン・エドバーグを下して全仏王者となります。
17歳3か月、史上最年少の四大大会チャンピオンです。

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このなりふり構わぬレンドル戦については批判の声もあったようですが、ルール内でのプレイですし、当のレンドルも名選手ジョン・マッケンローに対してアンダーサーブをかましてますから、文句は言えませんね。

錦織選手もテニスプレーヤーとしては決して大きくありません(178㎝)が、小柄でも4大大会を制したマイケル・チャンがコーチなのですから、これ以上励みになる良いお手本はいないでしょうね。

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*名伯楽:伯楽とは馬の素質の良否を見分ける名人の名前。そこから転じて、才能を見出す人、人を育てるのが上手な人のことを指すようになった。

錦織圭 マイケル・チャンに学んだ勝者の思考
児玉光雄
サンクチュアリ出版
2014-12-12