会社員(37)女性からの投稿です。
この人は、「何にでもハラスメントをつけてよけいに人間関係をこじらせてしまうような最近の風潮」に対して怒りを感じているようです。

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私もよく知らなかったのですが、最近は一般社会に浸透してきたセクハラ、パワハラに加え、モラルハラスメントというカテゴリーもあり、このカテゴリーは細かく分けると20種類以上に及ぶそうです。
 
ハラスメントの意味はもともとは「嫌がらせ、イジメ」ですが、それなら悪意がなければハラスメントに当たらないかといえば、そうでもないのがこのハラスメント問題のやっかいなところです。

男性が、女性の年齢や未婚既婚を話題にしたり、性的なジョークを言ったりした場合、たとえ悪意がなくとも相手がそれを不快に感じればこれはセクハラになるようです。
ただこのセクハラ問題は、個々のケースに負うところがとても大きいような気がします。
きわどいことを上手に言ってユーモアにできる人もいるし、同じようなことを言っても発言者によってセクハラか否かのジャッジが異なるケースもあるような気がします。
たとえば、福士蒼太くんに「一口ちょうだい」と言われたら悪い気がしないかもしれませんが、上司のオジサンに同じことを言われたらどうなんでしょうか。
また、とにかく性的な話題が嫌いな人は、内容がどうあれすべてをセクハラと受け止めるかもしれません。

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モラル・ハラスメントは肉体的暴力に対しては厳しくとも、精神的暴力については対応が甘い社会に対して、フランスの精神科医が提唱した概念です。

最近の子供のいじめの多くが対象者を精神的に追い込むタイプになっていることを考えると、これは優れた提言だと思います。

ただ、この考え方も行き過ぎると、逆に番組で言っていたようにハラスメント・ハラスメントになってしまいがちです。

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スメル・ハラスメントについて言えば、意図的に悪意を持って悪臭を発している人はほとんどいないと思います。
そして、体臭・口臭・香水・柔軟剤の匂いなど、何らかの匂いを他人から感知したことがない人などはほとんどいないはずです。
気づいてもそれについて何も言わないのがほとんどの人の反応です。
もし匂いが我慢できなければ、何らかの方法で指摘するしかありません。
本人には何も言わず、周囲の人間にあれはスメル・ハラスメントだと騒ぎ立てるような行為は、ハラスメントの誤用のような気がします。
そもそもスメル・ハラスメントなどというもっともらしい言葉があるのがおかしいので、人を不快にさせるような匂いを発しているのはただのエチケット違反です。

外国人に言わせれば、東京の朝の満員電車は納豆やネギや干物の匂いが充満しているそうです。
「人間だもの by あいだみつを」
私たちはしょせん生き物ですから、匂いについてはお互いある程度寛容になってもいいんじゃないでしょうか。
自分だけは清潔です、みたいな人は、逆に潔癖ハラスメントですw

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モラル・ハラスメント―人を傷つけずにはいられない
マリー=フランス イルゴイエンヌ
紀伊國屋書店
1999-12