前頭に上がってきた頃の千代の富士は、相撲界の基準ではガリガリの体格、でも目だけは爛々と光って対戦相手を見据え、まさに飢えた狼でした。
身体能力の高さを感じさせるスピーディな取り口でしたが、所詮は小兵力士、前頭かよくて小結、関脇止まりだろうと思っていました。
それが、ちょっと見ないうちにマッチョなムキムキ相撲取りに変貌していました。
電光石火の立ちあいで相手の前まわしをガッチリつかみ、そのまま一気に寄るという取り口で白星を積み重ね、瞬く間に横綱に昇進しました。

今回は、強くてスタイリッシュな大横綱、千代の富士の新3大です。
有識者は相撲通で知られるやくみつるさん。

① 昭和60年(1985)5月場所 対大乃国戦
入幕した頃の千代の富士の相撲は、小兵ながらも豪快。
激しい気性そのままの相撲でした。

しかし、その向こうみずともいえる取り口が災いしてか、肩の脱臼に悩まされます。
脱臼はクセになると簡単に関節が外れるようになるため、スポーツ選手には命取りになりかねないケガです。

脱臼克服のために、千代の富士はすさまじい筋トレを始めます。
筋肉で肩関節を固めて、脱臼を防ごうという狙いです。

こうして、マッスルファイター千代の富士誕生。

相撲の取り口も、無理やり投げを打つのはやめ、速攻で寄り切るスタイルへ。
安定して勝ち星を重ねるようになり、1981年ついに第58代横綱にまで昇りつめます。

そして、昭和60年5月場所13日目。
関脇・大乃国(後に第62代横綱)と対戦します。
当時の大乃国は200キロ近い巨体を生かして格上の相手を倒しまくっていました。
千代の富士が勝てば優勝の一番。

上手を取った大乃国は寄り切ろうとしますが、千代の富士は土俵際驚異的な粘りでこれをかわします。
千代の富士がやや強引な外掛けをかけたところで、大乃国はその巨体で千代の富士にのしかかります。
千代の富士は200キロの巨体を預けられたまま、体を捻って上手投げ。

見事に巨体を地に転がします。

やくさんによると、千代の富士の無理のある外掛けは、隙を見せて大乃国を誘い出すワナだったのだそうです。
千代の富士のケタ外れに強靭な下半身が光る一番でした。

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身体能力の高さを感じさせるスピーディな取り口でしたが、所詮は小兵力士、前頭かよくて小結、関脇止まりだろうと思っていました。
それが、ちょっと見ないうちにマッチョなムキムキ相撲取りに変貌していました。
電光石火の立ちあいで相手の前まわしをガッチリつかみ、そのまま一気に寄るという取り口で白星を積み重ね、瞬く間に横綱に昇進しました。

今回は、強くてスタイリッシュな大横綱、千代の富士の新3大です。
有識者は相撲通で知られるやくみつるさん。

① 昭和60年(1985)5月場所 対大乃国戦
入幕した頃の千代の富士の相撲は、小兵ながらも豪快。
激しい気性そのままの相撲でした。

しかし、その向こうみずともいえる取り口が災いしてか、肩の脱臼に悩まされます。
脱臼はクセになると簡単に関節が外れるようになるため、スポーツ選手には命取りになりかねないケガです。

脱臼克服のために、千代の富士はすさまじい筋トレを始めます。
筋肉で肩関節を固めて、脱臼を防ごうという狙いです。

こうして、マッスルファイター千代の富士誕生。

相撲の取り口も、無理やり投げを打つのはやめ、速攻で寄り切るスタイルへ。
安定して勝ち星を重ねるようになり、1981年ついに第58代横綱にまで昇りつめます。

そして、昭和60年5月場所13日目。
関脇・大乃国(後に第62代横綱)と対戦します。
当時の大乃国は200キロ近い巨体を生かして格上の相手を倒しまくっていました。
千代の富士が勝てば優勝の一番。

上手を取った大乃国は寄り切ろうとしますが、千代の富士は土俵際驚異的な粘りでこれをかわします。
千代の富士がやや強引な外掛けをかけたところで、大乃国はその巨体で千代の富士にのしかかります。
千代の富士は200キロの巨体を預けられたまま、体を捻って上手投げ。

見事に巨体を地に転がします。

やくさんによると、千代の富士の無理のある外掛けは、隙を見せて大乃国を誘い出すワナだったのだそうです。
千代の富士のケタ外れに強靭な下半身が光る一番でした。

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