骨の異常のために引退を余儀なくされた元自転車選手のコールドウェルさん。

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メッセージ物質の異常によって骨の建設のバランスが崩れ、老化が進む危機にさらされています。

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なぜ体の中でメッセージ物質の異常が起きたのか?
それを解明することで再び若さを取り戻す答えが見つかりつつあります。

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ミズーリ大学のパメラ・ヒントン博士。
運動と骨量の関係について研究しています。

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コールドウェルさんのケースについて分析してもらったところ、意外な答えが返ってきました。

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自転車が原因の一つ。

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幼少期から自転車に乗り続けたことが事態を悪化させた可能性がある。

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プロ選手を目指して7歳から自転車に乗り続けてきたコールドウェルさん。

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無駄な筋肉がついて体重が増えないようにランニングなど他の運動は控えてきました。

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偏った運動習慣が骨に異常をきたすことにつながったのではないか…。

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ヒントン博士は運動習慣によって骨量に違いが出るのかを一般人を対象に調査しています。

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まず、20代から50代の男性で週6時間以上ランニングをしている人たちの骨量を調べてみました。

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骨量が低い傾向にある人は全体の19%にとどまりました。

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一方自転車に乗っているグループでは、なんと63%にのぼりました。

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この割合はランニングのグループの3倍にも及びます。

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なぜ自転車に長時間乗っている人たちの骨量が低いのか?

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ヒントン博士がたどり着いた答えは、「骨に伝わる衝撃の違い」でした。

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骨は衝撃を感知すると骨の量を増やす。

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自転車をこいでも骨には衝撃が伝わらない。

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骨への衝撃という点ではただ座っているのと同じ。

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ヒントン博士は骨量の低い人たちにジャンプ運動(骨に衝撃を与える)をしてもらう実験を行いました。

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1日30分、週3回。
1年間続けました。

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その結果、19人のうち18人で骨量が上昇。
ブレーキ役のスクレロスチンの量が減少していました。

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衝撃を感知するのは硬いカルシウムの柱に隠れていた骨細胞。
骨細胞はいわば衝撃センサーの役割をしています。

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衝撃を感知すると骨細胞は「骨を作るのをやめよう」というブレーキ役のメッセージ物質を減らし、「骨を作って!」というアクセル役のメッセージ物質を発します。

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その結果、骨を作る骨芽細胞の数が増えます。

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つまり、骨は私たちが活動的に動いている限り骨芽細胞からメッセージ物質を出して、全身を若く保ってくれるのです。

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逆に私たちが活動をやめると、骨は若さを保つ必要がないと判断し、若さを保つメッセージを止めてしまうのです。

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1日の大半を座って過ごす生活をしていると、若さを保つメッセージが途絶えてしまうかもしれません。

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なぜ骨が衝撃を感知する役割と若さを保つという二つの枠割りを担ったのか。

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それは進化の過程で活動的な個体を生き残らせるため。

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狩りをする筋力、記憶力。
子孫を残す精力。

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骨は私たちの活動状態を見張り、若さを保つ判断をする。

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(骨は)いわば人体の若さの門番。

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今すぐジャンプしたいw

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来年車輪が三角の自転車が出るらしい。

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自転車は体に良い運動。
心肺機能アップ、メタボ予防。
筋力アップにつながる。

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骨折した時に日光を浴びてよく歩けと言われた。
意識的に歩くようにしたら骨年齢が50代ぐらいまでに若返った。

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階段の上り下りも良いが、膝が悪い高齢者などは無理をする必要はない。

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水中ウォーキング、ストレッチ、ヨガも骨に効果あり。

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高齢者が骨折した場合、なるべく早く手術をして1日でも早く起き上がってもらう。

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骨は活発な動きを感じ取り、活発な個体を応援する。

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現代の生活は活発さを忘れ、進化に逆らっている。

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ブラタモリをやっている間は大丈夫w

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骨が減り続けていた元自転車選手のコールドウェルさん。

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骨折の危険を配慮しながら、骨に刺激を与える運動を始めました。
若さを生み出す骨のメッセージの力を再び呼び覚まそうとしています。

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運動を始めて1年。
少しずつ骨の持つパワーを取り戻し始めています。

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骨と同じように人生も立て直すことができる。

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硬結性骨化症患者のドレイヤーさんは大学院で分子生物学を学び、スクレロスチンを研究している大手製薬会社で働きはじめました。

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スクレロスチンをコントロールすることで骨粗しょう症の新薬を開発しようとしているのです。

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開発のきっかけは、ドレイヤーさんたちの難病によってスクレロスチンが発見されたこと。

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僕たちの病気がきっかけで骨量不足の多くの人たちの薬が開発されるなら、僕が耐えてきた手術や苦しみも少しは救われる。

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科学の限界を押し上げ、骨についてもっと理解したいと思っている。
人生を意味あるものにできたと信じたいから。

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第3集 ”骨”が出す!最高の若返り物質ー完

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