Halohalo online

ブログ再開しました。 以前ほど頻繁に更新できないかもしれませんが、ぼちぼちやっていきます。


ポパイにはウインピーというハンバーガー好きのオジサンが登場します。
ハンバーガー好きというより、ウインピーはハンバーガーを食べている姿しか見なかったような気がします。

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私が子供の頃、毎日のようにアニメのポパイが放映されていました。
そして、ある回でウインピーが港町でカキのハンバーガーを食べていたのです。
「今カキのハンバーガーを食べているんだ」
そうウインピーが言っていたので間違いありません。

カキのハンバーガー…。
ハンバーガーでも珍しかった当時、カキのハンバーガーは子供心にも衝撃的でした。
どんなハンバーガーなんだろう。
私の想像力をかきたてたウインピーのカキバーガーですが、結局どういうものかはわからぬまま私は大人になってしまいました。

ところがどういうものか最近になって私はこの未解決の一件を思い出してしまいました。
そもそも、カキのハンバーガーなどというものはこの世に存在するのか…。
インターネットの時代まで生きながらえたことは私の幸運です。
早速私は「カキ ハンバーガー」で検索してみました。

結論から言えば、ありました。
それも、松島、相生、広島などカキを名産とする複数の地域において、わが町の地元バーガーとして売り出し中です。

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宮城県、松島の一品、カキのクリームコロッケになっている

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兵庫県、相生のカキバーガー、こちらはカキフライにタルタルソース

どこもそれなりにおいしそうなんですが、私のイメージとはちょっと違います。
そもそもウインピーは外人(アメリカン?)ですから、海外のカキバーガーを探すべきかもしれません。
ということで、海外のカキバーガーをネット検索してみました。
こちらも続々と登場します。

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アメリカ、オレゴン州の一品。構成は相生と似ている

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こちらは焼きガキ。これもうまそう。

どうやらカキが獲れる海に近い町ではカキバーガーを出すレストランがありがちなようです。

カキはおいしいけど、傷みやすい。
だから衛生管理の問題で大手ハンバーガーショップでは扱いにくいのかもしれません。

私がイメージするウインピーのカキバーガーはフライではなくフリッターのような気がします。
ソースはタルタルソースか、ケチャップとマスタードのチョイス。
潮風に吹かれながらカキバーガーに一口かぶりつき、おもむろにビールの小瓶を傾ける…。
ちょっとハードボイルドなウインピーになります。

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 カキのフリッター ブログ「覚え書き帳」より抜粋


寒くなってくると、やはりおでんを食べたくなります。
スーパーで練り物がいろいろ入っているおでんセットみたいなものを買います。
これだけでは寂しいので、大根やゆで卵も入れます。
おでんのジャガイモも大好物なので必ず入れます(丸ごと皮つき)。
母親がいつも入れていた手羽先も投入。
コンニャクは”何となく”欠かせません。
今回は厚揚げを特別ゲストに迎えました(ちなみに前回の特別ゲストははんぺんとチクワブ)。

これらの材料を全部合わせると、家にある一番大きな鍋にいっぱいになります。

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写真はイメージです

私は一人暮らしです(…笑)。

おでんは欠くことができないスタメンがいっぱいいるので、こういうことになってしまいます。
しかも、スポーツみたいに何人という枠が決まっているわけではありません。
あれもこれもという人間の限りない欲望のルツボ。
それがおでんです。

中には何故いるのかよくわからないスタメンもいます。
その代表格は揚げボールです。

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揚げボールは練り物で、素材はおそらくさつま揚げと同じはずです。
ゴボウやイカを仕込んださつま揚げもあるので、さつま揚げ系のスタメンはかなりダブってきます。

揚げボールの個性はその形状が球ということだけで、他には何もありません。

存在している意味はあまりないように思えるのですが、おでんセットを買うと必ず紛れ込んでいるのです。
しかも、複数個。

小さいし、丸いし、ま、いいか…。そんな感じで見逃されしぶとく生きながらえてきたヤツだと思います。

逆に地方限定で活躍しているローカル選手もいます。

関西地区で頑張っているのは牛スジとタコです。
牛スジなどは関西を拠点にしながらも最近は東京進出も狙っているようです。
今時の芸人で言えば…、千鳥?
おでんのタコはまだ食べたことはないのですが、酒の肴に合いそうです。

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関東地区で活躍しているのはチクワブです。
チクワブのない地方の人から言わせると、あれは小麦粉の塊だそうです。
まあ、確かにそうですが、汁を吸ってブヨンとなったチクワブの味は格別です。
小学生の頃友達と屋台のおでん屋で買い食いをしましたが、安くて食べでのあるチクワブは断トツ人気でした。

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ちび太のおでんは上からコンニャク、がんも、ナルト巻

そういえば、昔の屋台のオヤジが作るおでんのツユは鰹節の匂いがプンとして、その匂いで人を引き寄せていました。
醤油と酒がドボドボ投入された下品な味ですが、それがたまらなくうまかった。
大人はツユの沁みた大根なんかに辛子を塗りつけて。それを肴にぬる燗をコップ酒であおるわけです。
今はああいう下卑た味のおでんはあまりないような気がします。
コンビニのおでんはヘルシーで上品でオジサンには物足りません。

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コンビニのおでんはあえて関西風にしているそうだ







フィリピンのセブ島で自転車を借りて(アウトドアツアー・ショップ プラネット・アクション)サイクリングをしました。

白砂のビーチが有名な観光地ーホワイト・ビーチに行きましたが、あいにくの曇り空で人はほとんどいませんでした。
私の他に観光客といえば、ビキニからはみ出たお肉が気になるアラフォーの白人女性4人組ぐらいでした。
地元の漁師兼海の家のおじさんと少し立ち話をして、リゾートホテルの中庭で遊んでいた犬たちを写真に撮ってから自転車が停めてある駐車場に戻りました。

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 モアルボアル ホワイトビーチ

自転車を漕ぎだしてすぐ後輪のタイヤがパンクしていることに気づきました。
悪路を来たので釘でも踏んづけたのかもしれません。
あるいはイタズラされたのかもしれません。
原因はどうあれ、パンクしていることには変わりありません。

私は自転車を引いて歩き出しました。
無理して乗ってリム(車輪)でも歪めた日には、自転車屋に預けたデポジット(保証金)の5000ペソ(当時のレートで約1万円)が返ってこない恐れがあるからです。
ビーチの入り口にいたガードのオジサンにパンクを直せるところはないか聞いたのですが、そのオジサンは現地語で何やら言いました。
言葉はわかりませんが雰囲気でわかったのはもう少し先に村があるからそこに行ってみろ、ということでした。

自転車を引いてしばらく歩いていると雨がぽつぽつと振ってきました。
ジャングルの中に小さな家々が数件見えてきたところで、雨は本降りになってきました。

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 闘鶏用の鶏を飼う家は多い

粗末な、一間しかない小さな家の窓から若い夫婦がこちらを見ているのに気づきました。
「パンクを直せるところありませんか」
身振りを交えてつたない英語で彼らにそう呼びかけると、彼らは隣の家を指さしました。
「隣?そこ?」
あまりに近くに目的地があったことを訝しく思いましたが、私はその家に近づきました。

その家はよく見ると、トロトロ(簡易食堂)になってました。
食堂と言っても普通の家の軒先で営業しているようなごく小さな店です。
テーブル席が一つと手作りのカウンター。

そのカウンターの向こうで18、9くらいの娘が店番をしていました。
「あのーパンクを直してください」
私がそう言うと、彼女は大きな声で誰かを呼びました。
彼女は何度か呼びましたが、返事はありません。
強くなった雨脚の音だけが私たちを包んでいます。

「今いないみたい。遠くには行ってないと思うけど…」
「じゃ、少し待ちます」
パンクを直せる人がいるのなら、待つ価値はあります。
それに外は雨です。
そして、ちょうどお昼時でした。
待っている間、お昼ご飯を食べることにしました。
「ここ食堂ですよね。何がありますか?」
「今日あるのは鶏レバーとナスの炒め物と魚のフライ」
「じゃあ、魚。それとビール」
「わかりました…あなた日本人?」
「そうだけど…なぜわかるの」
「その…」
彼女は少し躊躇しているようでした。
「…話し方」
「ああ」
どうやら私は日本語なまりが強い英語を話しているようです。
学生時代、テキストの新単語にカナでフリガナを振っていたツケでしょう。

私が小さなテーブルの席についていると、ほどなく彼女が食事とビールを運んできました。
食事は山盛りのごはんと15センチほどの魚のフライが一匹。
以上。

フィリピンの庶民の食事は実にシンプルです。
私は街のジプニーの車掌クンの横顔を思い出しました。
スペイン系の血が混じった彼はなかなかのイケメンでしたが、少し痩せすぎで顎が尖っていました。

おかずとごはんの比率があまりにアンバランスで、私はご飯を半分近く残してしまいました。

軒下で物欲しげな様子の犬がこちらを見ていたので、私は掌にご飯を載せてそいつを呼びました。
犬はおずおずと私に近づき、手の上のごはんをうまそうに食べ始めました。

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こちらの犬は概ねおとなしいが、狂犬病を持っていることがあるので注意

すると娘が店の奥から出てきて、「&%$#!」
と、犬を叱りつけます。
客人からエサをもらうような真似をするなということでしょうが、仁王立ちの娘は犬と座っている私を見下ろし、完全に私も一緒に叱られている感じでした。

どこからともなくオジサンが現れ、ビニール袋に入れたナスの炒め物をテイクアウトしてバイクで去ってゆきました。
雨は少し小やみになってきました。

私は娘に声をかけようとしてカウンターの方を見ましたが、そこには誰もいないように見えました。
立ち上がってカウンターの奥の暗がりを覗くと、椅子に座った彼女が身じろぎもせずじっと虚空を見つめていました。
まるでお寺に安置された菩薩像のようです。

「あの…家の人は帰ってこないかな」
「まだ…みたい」
「そろそろ行きます。他にパンクを直せるところありますか」
「ボーカサイスィング・レスト」
「えっ?」
「この先を行った右手にあるわ」
「もう一度言ってくれますか?」
「ボーカサイスィング・レスト」
どういう場所か見当もつきませんが、私はその名前を頭に刻みつけました。
「いろいろありがとう。さようなら」
「さようなら」

私は雨上がりのぬかるみの道を自転車を押しながら再び歩き始めました。

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